スタッフコラム

2021.05.22

スタッフコラム

香港の日系企業、大陸ヘシフト・・コロナで往来停滞1年超


在香港日本総領事館と日本貿易振興機構(ジェトロ)香港事務所、香港日本人商工会議所は4月21日、中国香港に拠点を構える日系企業の1~3月期のビジネス環境に関する調査結果を発装した。新型コロナウイルスの影響で中国大陸との自由な往来が1年以上にわたって滞る中、香港拠点の縮小や人材を大陸側へシフトさせる動きが加速している。調査は今月1~9日商工会議所の会員企業など600社超を対象に行い、239社が回答した。業務上の課題について、79.7%が「香港と大陸間の出入境制限」を挙げ、「香港と日本間の出入国制限」(72.9%)を上回った。


「人員削減」「事務所移転」「抛点機能の中国移管」といった形で、香港における事業見直しや規模縮小に既に踏み切った企業も複数みられた。今後の方針について、「拠点縮小」やそれに類する変化を見越している企業は27.7%に上り、相当数の日系企業が香港におけるビジネスのあり方の再検討に迫られている。移転先候補としては中国大陸が多く、隣接する広東省のほか、上海、中国台湾、ベトナムなども想定されている。広東省側に取引先企業や願客を多数抱える電気・電子、繊維関係や地方銀行に中国シフトの傾向が強いという。ジェトロ港事務所長は「決済や税務関係の業務は中国香港に残し、これまで中国香港から通っていた中国側の、より『現場』に近い地域に営業人員を配置し直す、といった対応がみられる」と指摘した。


ビジネス動向に関してみると、1~3月の企業の業況判断指数(DI)は前期(2020年10~12月期)から14.1ポイント低下のマイナス0.5。ただ、業種による開きが大きく、回答企業の大部分を占める非製造業のDIが前期比16.9ポイント低下した半面、製造業は20.7ポイントの大幅上昇だった。4~6月期の予想値は15.8で、見通しの明るさがみられた。


 
 

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