広東省深セン市、現代的な「バイオファウンドリ工場」を建設
広東省深セン市光明生命科学パーク合成生物研究重要科学技術インフラ(以下「重要インフラ」)に足を踏み入れると、中国科学院深セン先進技術研究院の劉陳立副院長は「傷口を修復する『生きた接着剤』や薬品の使用を補助するスクアレンなどの原料は現在、細胞工場で生産できるようになった。これが合成バイオ技術だ。『生きた接着剤』を例にすると、これは材料合成生物学分野の成果だ。その主要原料の一つはイガイ接着タンパク質で、以前であれば1グラムを得るために1万匹のイガイが必要だった。生産が複雑で、生産性が低かった。現在は遺伝子組換え後の細菌を利用し、1トンの発酵タンクを使うことで、2日で2000グラムを得ることができる」と説明した。
現在、全く新しい「モノづくり」技術としてのバイオものづくりは、新たな質の生産力の非常に重要な新たな競争の場と新業態とされ、関係者が競って進出しようとする科学技術の先端分野となっている。習近平総書記はバイオものづくりをはじめとする未来産業を非常に重視し、「合成生物学、ゲノム編集、脳科学、再生医学などをはじめとする生命科学分野の新たな変革を育む」「世界の科学技術の先端に狙いを定め、全体の傾向を把握し、うまく先手を打つ」と強調した。深セン市は総書記の指示に従い、定量合成生物学重点実験室と重要インフラをイノベーション源に、国家バイオものづくり産業イノベーションセンターを実用化のエンジンに、バイオものづくり分野のオリジナルイノベーション発展の地の構築に注力している。
深セン市光明区に位置する光明生命科学パークは、建築面積は23万平米。合成生物研究重要インフラはその中にある。重要インフラの4階では、ガラスで隔てられた自動化機能アイランドエリアが統合的に配置されている。科学研究者が注文を出すだけで、スマートロボットが必要な資材を自動化機能アイランドエリアに運ぶ。ロボットアームは事前の設定に従って素早く動くことにより、複数の生物試薬とサンプルをマイクロプレートに巧みで正確に置く。プロセス全体がスムーズ・効率的で、人の手を必要としない。深セン先進技術研究院合成生物学研究所の袁海副所長は、「重要インフラは昨年11月に試験運転を開始した。先進的な自動化工学技術を核酸合成やゲノム編集などのバイオテクノロジーと結びつけ、人工生命体の迅速かつ低コストな合成を実現した。これはスマートな『バイオファウンドリ工場』に相当する」と説明した。
「重要インフラは今後世界のイノベーション要素を深センに引き寄せ続けるだろう」。袁氏は、「重要インフラはユーザーの『クラウド実験室』と運営者の『スマート実験室』の2つを一体化した合成生物研究プラットフォームを構築し、これを学術界や産業界、さらには世界に向けて開放する。ここは将来、世界の合成生物資源を引き寄せ、世界をリードするスマート化生命システム設計・製造プラットフォームになり、全国の合成生物学研究に力強いサポートを提供する」と述べた。
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