スタッフコラム

2018.10.24

スタッフコラム

【港珠澳大橋】が正式に開通! 初日は3万人が大橋で来港

中国香港、広東省、中国マカオを結ぶ『港珠澳大橋』が10月24日(午前9時)、正式に開通した。

同日午前8時45分、中国香港警方は港珠澳大橋香港口岸のゲードを外し、多くの専用バスやミニバスが運行を始めた。中国香港口岸-~中国マカオ、珠海を往復するバスは、ピーク時には5~10分間隔で運行するという。

前日23日(火)に珠海で行われた開通儀式には中国国家主席が隣席し、港珠澳大橋の正式開通を宣言、中国香港特区行政長官は『現時点で世界最長の橋であり、現代の世界七不思議と呼ばれる栄誉あるもの』と大橋を紹介。『移動時間の短縮のみならず、広州、中国香港、中国マカオを1時間生活圏とする理想のレイアウトを形成するだろう』と語つた。

運輸及び房屋局の局長は『開通初日には3万人以上の利用者が中国内地から大橋を通過して中国香港を訪れ、中国香港を出発する越境バスは約100便、5000人が利用する』と説明した。

 

「現代世界の新7大奇跡」の一つに数えられる港珠澳大橋は設計から建設まで14年間かかったが、どのような科学技術によって支えられているのだろうか。

世界最長の海底沈埋トンネル

空には飛行機があり、海には船がある。その間に位置する港珠澳大橋は、香港国際空港の便の飛行安全を妨げず、かつ伶●洋航道(●はにんべんに丁)を航行する30万トン級汽船の通行の需要を満たす必要があった。

この需要に対し、港珠澳大橋の設計チームは、創造力あふれるプランを打ち出した。それは東西に2つの人工島を作り、海底トンネルを掘ることで、トンネルと大橋を連結させるというプランだった。この世界最長の海底沈埋トンネルは33本の巨大パイプからなり、パイプの長さは180メートルで、1本の重さは約8万トン。海底40数メートルの深さまで沈めなければならない。

これほど巨大なパイプを海底に沈め、つなげるにはどうすればいいのだろうか。まずタグボートでパイプを橋の近くまで運び、さらにツイストアンカーによりパイプを取り付け位置まで移動させ、沈ませるという方法が取られた。華南理工大学の趙成璧准教授のチームはこの作業を成功させるため、物理模型テスト及びデータシミュレーションを行った。トンネルの沈埋パイプの移動、係留、投入などの水上施工の重要問題について研究した結果、作業を進める上で存在する問題が明らかになった。

国内大橋の「百年の慣例」を打破

世界最長の大橋である港珠澳大橋の耐用期間は120年にのぼり、国内大橋の「百年の慣例」を打破した。

海泥環境における鉄柱を120年もたせることは、港珠澳大橋の設計チームにとって極めて大きな課題となった。中国科学院金属研究所耐久性防護・工学化研究チームの責任者である李京(リー・ジン)研究員は「特定の海泥環境に合わせ、耐透水性、耐陰極剥離性などから新型コーティング剤の開発に着手し、コーティング剤の耐久性の問題を解消した。次世代高性能エポキシコーティング鉄筋を開発し、大橋の基礎の防腐コーティング施工に関わることで、120年間の耐久性の設計要求を満たした」と話した。

「積み木」で大橋を組み立てる

港珠澳大橋は「積み木」のように組み立てられた。まず工場内で橋脚、橋面、鋼箱桁、鉄柱などを生産し、伶●洋の風と波が穏やかな時に組み立てる。これにより初めて「大型化・工場化・標準化・組立化」という建設理念を実現した。

「大型鋼箱桁を現場に運び組み立てる際に、その組立の誤差は1センチ以内に抑えなければならない。溶接継ぎ目の長さは2センチを超えてはならず、難易度が非常に高い」。伶●洋は台風に見舞われやすい。台風が来る前に施工を終えるため、華南理工大学の王栄輝(ワン・ロンフイ)教授率いるチームは国内で初めて各種工法・非対称・多塔斜張橋の施工制御技術を採用し、世界初の3100トン級大型ケーブル塔の全体的な施工を完成した。

また、高強靭性薄膜アスファルトオーバーレイ技術、水中構造水止、交通工学システムインテグレーションなどの技術の応用により、港珠澳大橋は名実相伴う「スーパープロジェクト」になった。

 

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